キノウコヨミ

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早稲田大学 文化構想学部 文芸・ジャーナリズム専攻 卒業。 主に近現代の純文学・現代詩が好きです。好きな作家は、太宰治・岡本かの子・中原中也・吉本ばなな・山田詠美・伊藤比呂美・川上未映子・金原ひとみ・宇佐美りんなど。 読者の方に、何か1つでも驚きや発見を与えられるような記事を提供していきたいと思います。

太宰治『グッド・バイ』太宰が真に描きたかったものとは?

『グッド・バイ』紹介 『グッド・バイ』は太宰治著の小説で、未完のまま絶筆となった作品です。 太宰の死から8日後、1948年6月21日の『朝日新聞』に第1回が掲載され、翌月の『朝日評論』にて第13回までの原稿と、作者の言葉がまとめて掲載されました。 主人公・田島が、かつぎ屋・キヌ子に振り回されつつ、十人ほどの愛人一人ひとりに別れを告げてまわる様子をコメディ調で描いた作品です。 ここでは、『グッド・バイ』のあらすじ・解説・感想までをまとめました。 『グッド・バイ』あらすじ 田島周二は、終戦後、妻子と離れて単身 ...

太宰治『人間失格』文体から紐解く太宰作品の魅力

『人間失格』紹介 『人間失格』は、太宰治著の中編小説で、雑誌『展望』に昭和23年6月号から8月号にかけて掲載されました。 太宰がこの作品の脱稿から1か月後に入水自殺をしていることから、「遺書」として考察されることも多い作品です。 物語は、主に主人公・大葉葉蔵が書き綴ったものとされる「三つの手記」によって構成されており、「はしがき」「あとがき」だけが第三者視点で描かれています。 ここでは、『人間失格』のあらすじ・解説・感想までをまとめました。 『人間失格』あらすじ 主人公・葉蔵は、幼少期から人間の普通の感覚 ...