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本の「どういうこと?」が分かる!BOOKTIMESは、国内外の文学作品についての解説・感想をはじめ、文学関連のトピックを発信するメディアです。文学部出身のライターをメインに、年間100冊以上の読書家から図書館司書まで、本と共に生きているライター陣が作品を解説しています。
『手鎖心中』の紹介 『手鎖心中』は、1972(昭和47)年3月刊行『別冊文藝春秋』119特別号に発表された井上ひさしの小説です。 同年7月に第67回直木賞(上半期)を受賞しています。 既に劇作家として認められていた井上ひさしの3作目の小説で、井上笑劇のエッセンスがつまった初期の作品となります。 ここでは、『手鎖心中』のあらすじ・解説・感想までをまとめました。 『手鎖心中』――あらすじ 大坂(大阪)から江戸へ戯作者になるべくやってきた与七(後の十返舎一九)。 彼は居候先の版元(出版社)蔦屋重三郎の紹介で、元 ...
『オーランドー』の紹介 『オーランドー』は、1928年にヴァージニア・ウルフによって書かれた小説です。 ウルフは英国モダニズム文学を代表する作家で、『ダロウェイ夫人』『波』『灯台へ』などの作品を書きました。 「意識の流れ」手法を使った文体で有名ですが、近年ではフェミニズム文学作家としての注目も高まっています。 『オーランドー』にも、フェミニズム文学として掘り下げられる要素が盛り込まれています。 ここでは、『オーランドー』のあらすじ・解説・感想までをまとめました。 『オーランドー』―あらすじ オーランドーは ...
『ダブリン市民』の紹介 『ダブリン市民』は1914年にアイルランドの作家ジェイムズ・ジョイスによって書かれました。 ジェイムズ・ジョイスはマルセル・プルーストやフランツ・カフカと並んで20世紀文学を代表する作家のひとりです。 代表作として、アイルランドの首都ダブリンの一日を書いた長編小説『ユリシーズ』などがあります。 初期短編集である『ダブリン市民』は14編の短編小説と、1編の中編小説から構成されています。 ここでは、『ダブリン市民』のあらすじ・解説・感想までをまとめました。 『ダブリン市民』―あらすじ ...
『紺屋高尾』の紹介 廓話の傑作、「紺屋高尾(こうやたかお)」。 職人久三が、吉原遊廓でNo.1の三浦屋の高尾太夫に捧げる正直な純愛の気持ちが、高尾太夫の心を動かすという、逆シンデレラストーリー。 全盛と呼ばれた吉原随一の高尾太夫に一目惚れしてしまった紺屋の職人久三。 一所懸命に働いてなんとかお金を貯めて会いにいくという話です。 もともとは浪曲で大ヒットしていたお話のようで。三遊亭圓生が得意としたといわれています。 七代目立川談志も得意とし、一門がよく演じています。なかでも立川談春の高座は、独自のエピソード ...
『女の決闘』紹介 『女の決闘』は太宰治著の小説で、1940年『月刊文章』に掲載されました。 本作は『鴎外全集』に収録された十九世紀、ドイツの作家·ヘルベルト·オイレンベルグの『女の決闘』という短編を、作者(太宰)が作中で注釈を加えつつ改変してゆくという珍しい構成の小説です。 鴎外の訳文がそのまま全文採用され、その途中に太宰の注釈と追加描写が差し込まれています。 ここでは、『女の決闘』のあらすじ·解説·感想までをまとめました。 『女の決闘』あらすじ 鴎外全集を手にした作者(太宰)が、これから十九世紀のドイツ ...
『桜桃』の紹介 『桜桃』は1948年(昭和23年)、太宰治によって執筆された短編小説です。 太宰の忌日である「桜桃忌」は、この作品から着想を得て名付けられました。 ここでは、『桜桃』のあらすじ・解説・感想までをまとめました。 『桜桃』のあらすじ 作家の「私」は、妻、七歳の長女、四歳の長男、一歳の次女の5人家族で暮らしている。 「私」は「日々悩み煩うことが多いために、表面では道化を装わざるを得ない」と言う考えから、家にいるときを初め、どのような場面でも冗談を言っている。 長男は発達に遅れが見られ、少しも成長 ...
『ヴィヨンの妻』の紹介 『ヴィヨンの妻』は1947年(昭和38年)太宰治によって執筆された短編小説です。 傷つきやすく破滅的な詩人の姿を劇画化し、妻の立場から批判的に描いています。 ここでは『ヴィヨンの妻』のあらすじ・解説・感想までをまとめました。 『ヴィヨンの妻』あらすじ 私は来年四歳になる息子と貧しい生活を送っていた。夫は常に泥酔をしておりめったに家に帰ってこない。 ある夜、夫が珍しく帰宅する。普段とは異なるように優しい夫を訝しげに見ていると、鋭い声が届く。玄関には男女が憤慨して立っていた。 二人は飲 ...
『友情』は1939年に『日本評論』に発表され、第2回菊池寛賞を受賞した武者小路実篤の小説です。文芸雑誌『白樺』を創刊し、白樺派を代表する作家として活躍した実篤の代表的な恋愛小説の一つ、『愛と死』のあらすじ・解説・感想までをまとめました。
『粗忽長屋(そこつながや)』は江戸落語の演目の一つです。粗忽者が出てくる落語のなかでも、演じるのが難しいといわれていますが、ほとんどの落語家が演じている演目です。ここではそんな『粗忽長屋』のあらすじ&オチまでを解説します。
落語『そば清(そばせい)』のあらすじ・サゲの解説をまとめました。『そば清』は江戸落語の演目の一つです。『そばの羽織(そばのはおり)』という演題で演じられることもあります。上方落語の『蛇含草(じゃがんそう)』は類噺のひとつです。滑稽話。演者によっては落ちで不気味な雰囲気を出すこともあり、不条理ホラーの要素も含んでいます。